日々memoQを使用してプロジェクトのハンドリングを行っている筆者ですが、翻訳会社でPMを担当している方々にとって、使用頻度の多い機能といえばファイルの解析機能ではないでしょうか。
翻訳支援ツール(CATツール)には翻訳対象のファイルのボリュームやマッチ率を把握するための解析機能がついています。高い機能性を誇るCATツールのmemoQ。解析機能にも色々な設定がありますが、なんとなく初期設定のままで使ってしまっている人も意外と多いのではないでしょうか。(筆者もそうでした..)
今回は、memoQの解析機能について、掘り下げていきたいと思います。うまく使いこなせば、見積もりの精度アップや作業の効率化に繋がる機能があるかもしれません。是非最後まで読んでみてください。
目次[非表示]
プロジェクトホームで、解析したいファイルを選択し、統計ボタンを押します。
統計画面が表示されます。
エリアごとにみていきましょう。
解析をかける範囲を指定します。
プロジェクトに含まれている全てのファイルを解析します
選択されたファイルのみ解析します
エディタ上で開いているファイルを全て解析します
編集中のファイルを解析します
編集中のファイルで、カーソル以降を解析します
選択したセグメントのみ解析します
ビューを解析します
翻訳メモリの解析結果とは別に、セグメント・ワード・文字の総数を表示します
解析範囲のなかで、確定済み・編集中・未作業等のセグメントをステータス別にカウントします
訳文セグメントの文字数/ワード数をカウントします
memoQのカウント基準で解析します(通常はこちらにチェックを入れます)
SDL Trados 2007のカウント基準で解析します
翻訳対象がタグを多数含んでおり、タグもカウントに含めたい場合などに使用します。例えば「0.25単語」とすると、1タグ=0.25ワードとカウントされます。「2文字」とすると、1タグ=2文字としてカウントされます
プロジェクトに設定されているすべての翻訳メモリやLiveDocsを使ってマッチ率を解析します
翻訳メモリやLiveDocsごとにマッチ率を解析します
解析対象の中の類似セグメントのマッチ率を結果に含めます(インターナルファジー)
[均一性]チェック無し:
[均一性]チェックあり:
原文の中にどれくらい似たようなセグメントがあるか知りたい場合に使う機能です。
プロジェクトに設定されている翻訳メモリやLiveDocsの中から、マッチしたセグメントを集めて新しい翻訳メモリを作成します
文字/ワード数の横にワークロードを表示します。ワークロードを計算する際の傾斜は[加重]に表示されます。(変更することも可能)
ロックされたセグメントもカウントします
スペースもカウントします
「繰り返し」且つ「100%マッチ」のセグメントがある場合、「繰り返し」としてカウントします。具体的には、以下の条件に当てはまるセグメントが「繰り返し」としてカウントされます。
・繰り返しのセグメントである
・2回目以降の繰り返しである
・TMマッチ率が100%である
[繰り返しを100%一致よりも優先]チェック無し
[繰り返しを100%一致よりも優先]チェックあり
100%マッチのセグメントのうち、繰り返しである18セグメントが、「繰り返し」としてカウントされています。
複数のファイル間での繰り返しを表示します
解析結果の項目を見ていきましたが、いかがでしょうか。設定をうまく利用することで、様々なケースに対応できると思います。
など、様々なシーンで役に立つこと間違いなしの統計機能。今回の記事をきっかけに、少しでも活かしていただければ幸いです。
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